「MBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)って結局どこが一番いいの?」
元メーカーから転職し、現在は大手ファームでディレクターを務める中川です。
今回は戦略コンサルトップ3の実態と年収の真実を、13年の実務経験と業界ネットワークから得た情報を基に徹底解説します。
元メーカーから転職し、現在は大手ファームでディレクターを務める中川です。
今回は戦略コンサルトップ3の実態と年収の真実を、13年の実務経験と業界ネットワークから得た情報を基に徹底解説します。
戦略コンサル業界の頂点に君臨するMBB。その実態は、外から見える華やかさとは大きく異なります。私は幸運にも3社すべてと仕事をする機会があり、それぞれの文化と実務の違いを肌で感じてきました。
今回は、きれいごと抜きで各社の強み・弱み・年収・働き方の実態をお伝えします。
MBBの「本当の序列」と市場評価
まず、業界内での暗黙の序列と、実際の市場評価を整理しましょう。
| ファーム | ブランド力 | 実際の強み | 業界内の評価 |
|---|---|---|---|
| McKinsey King | ★★★★★ | グローバルネットワーク、知識資産、CEO輩出 | 「別格」だが最近は神通力に陰り |
| BCG Rising | ★★★★☆ | イノベーション、デジタル、組織変革 | 最も勢いがある、実力でMcKに迫る |
| Bain Solid | ★★★★ | 実行支援、PE連携、結果重視 | 堅実だが地味、でも離職率は最も低い |
💡 業界インサイダーの本音
「McKinseyの神話は崩れつつある。BCGが実質的にNo.1になりつつあるというのが、業界の共通認識」
—— 某外資系ファーム パートナー
実際、2023年以降の大型案件獲得数ではBCGがMcKinseyを上回るケースが増えています。特にデジタル・AI領域では完全に逆転しています。
各社の「リアルな実務スタイル」
私が実際に経験した、各社の仕事の進め方の違いを具体例で説明します。
McKinsey – 完璧主義の呪縛
実例:某製薬会社の事業戦略プロジェクト
- 最初の2週間:ひたすらフレームワーク設計と仮説構築
- 分析の深さ:競合50社を分析(実際に使ったのは10社)
- 資料作成:1枚のスライドに平均8時間かけた
- クライアント反応:「完璧だが、実行できる気がしない」
強み:思考の深さと論理性は圧倒的
弱み:オーバーエンジニアリングで時間とコストが膨大
BCG – イノベーションと実用性の融合
実例:某自動車メーカーのDXプロジェクト
- 初週:クライアントとワークショップで共創
- アプローチ:新しいフレームワーク「デジタルBCG」を適用
- 成果物:実装可能なロードマップとPoC
- クライアント反応:「革新的で、かつ現実的」
強み:最新手法と実行可能性のバランス
弱み:時に「新しさ」を追求しすぎる
Bain – 泥臭く結果を出す
実例:某小売チェーンの業績改善プロジェクト
- 初日:店舗現場に直行、店長と対話
- 分析:必要最小限、でも本質を突く
- 実行:コンサルタントが実際に店舗運営に参加
- 成果:6ヶ月で売上15%改善を実現
強み:現場密着と確実な成果
弱み:戦略的高さに欠ける場合がある
年収の「本当の数字」(2025年版)
転職エージェントの情報と、実際の数字には大きな乖離があります。現役社員から聞いた生の数字をお見せします。
| 職位 | McKinsey | BCG | Bain |
|---|---|---|---|
| アナリスト(新卒) | 900-1,100万円 | 850-1,050万円 | 800-1,000万円 |
| アソシエイト(MBA卒) | 1,600-1,900万円 | 1,500-1,800万円 | 1,400-1,700万円 |
| マネージャー(5-7年) | 2,200-2,800万円 | 2,000-2,600万円 | 1,900-2,500万円 |
| プリンシパル(8-10年) | 3,000-4,000万円 | 2,800-3,800万円 | 2,700-3,700万円 |
| パートナー(10年以上) | 5,000万-1.5億円 | 4,500万-1.2億円 | 4,000万-1億円 |
⚠️ 年収の裏側
- 基本給は意外と低い:年収の40-60%がボーナス
- パフォーマンス次第:同期でも年収が500万円違うことも
- Up or Out:昇進できなければ「卒業」を促される
- パートナーの格差:トップは3億円、ボトムは3,000万円
働き方の「残酷な現実」
華やかなイメージとは裏腹に、実際の働き方は過酷です。
McKinseyの1週間
- 月:9時-深夜2時(15時間)
- 火:9時-深夜1時(14時間)
- 水:9時-深夜3時(16時間)
- 木:9時-深夜2時(15時間)
- 金:9時-23時(14時間)
- 土:休み(でも資料チェック)
- 日:14時-20時(6時間)
週80時間労働が標準
BCG/Bainの1週間
- 月:9時-23時(14時間)
- 火:9時-深夜0時(15時間)
- 水:9時-23時(14時間)
- 木:9時-深夜1時(16時間)
- 金:9時-21時(12時間)
- 土:休み
- 日:休み(緊急時のみ)
週70時間労働が標準
🔍 離職率の真実
| McKinsey: | 2年以内離職率 35% | 5年以内離職率 85% |
| BCG: | 2年以内離職率 30% | 5年以内離職率 80% |
| Bain: | 2年以内離職率 25% | 5年以内離職率 75% |
つまり、5年後には8割以上が辞めているという現実があります。
向いている人・向いていない人
13年の経験から、MBBで生き残れる人と潰れる人の特徴をまとめました。
生き残れる人の特徴
- 体力オバケ(睡眠4時間でOK)
- 批判を糧にできるメンタル
- 瞬時に本質を見抜ける
- 政治力がある(重要)
- Exit戦略が明確
- プライドより実利を取れる
潰れる人の特徴
- 完璧主義すぎる
- プライベート重視
- 専門を極めたい
- 批判に弱い
- 上司に媚びれない
- 年収だけが目的
MBB選びの「現実的アドバイス」
| 選択基準 | McKinsey向き | BCG向き | Bain向き |
|---|---|---|---|
| キャリアゴール | CEO、起業、アカデミア | CDO、イノベーション責任者 | PE/投資、事業再生 |
| 得意分野 | 戦略、組織、オペレーション | デジタル、イノベーション、変革 | M&A、実行支援、消費財 |
| 働き方の好み | 個人プレー、競争環境 | チームワーク、創造性 | 現場密着、結果重視 |
| カルチャー | エリート、厳格、形式的 | 革新的、柔軟、協調的 | 実践的、結束、成果主義 |

