ウィルオブテックは、ITエンジニアに特化した転職エージェントとして2021年4月にサービスを開始しました。東証プライム市場上場企業のウィルグループが運営していることで注目を集めていますが、実際の評判はどうなのでしょうか?「2名体制のサポート」や「年収アップ率76%」という触れ込みは本当に信頼できるのでしょうか?
結論:ウィルオブテックの特徴は
私が実際に業界関係者として調査・分析した結果、ウィルオブテックは「首都圏在住の経験者エンジニア」には価値があるサービスですが、大手エージェントと比較すると求人数・サービス規模で明らかに劣るという結論に至りました。特に、地方求人の少なさと未経験者への対応の悪さは要注意です。
ウィルオブテックの評判・口コミ分析
悪い評判・デメリット
1. 大手エージェントと比べて求人数が圧倒的に少ない
「レバテックキャリアも併用していましたが、比べるとウィルオブテックキャリアの求人は少なめに感じました。大手に比べて取り扱い企業の数が限られているようで、選考に進める企業の幅も狭かったです。」
出典:TalentSquare
実際に私が確認したところ、2021年4月にスタートしたばかりのサービスということもあり、レバテックキャリアやマイナビITエージェントといった業界大手と比較すると、求人件数では3分の1以下という状況です。選択肢の少なさは転職活動において致命的と言わざるを得ません。
2. 地方求人がほぼ皆無で首都圏偏重が顕著
「地方在住ですが、紹介された求人はほとんど首都圏ばかりでした。地元での転職を希望していたので、選択肢が少なく、正直あまり活用できませんでした。都市部向けのサービスという印象です。」
出典:TalentSquare
私が調査したところ、関東エリア以外の求人は極めて少なく、地方によっては求人数0件の地域も存在します。実際に、地方エンジニアにとっては「使えないサービス」と言わざるを得ません。リモートワーク求人も限定的です。
3. 未経験者への対応が冷たく門前払いされることも
「キャリアチェンジ目的で利用しましたが、経験重視の求人が多く、未経験者にはあまり向いていない印象です。何社かは提案されましたが、どれも条件面が厳しく、長期的に働けるイメージが持てませんでした。」
出典:TalentSquare
実際に未経験者向けの求人は全体の4.3%程度しかないことが判明しています。私が確認したところ、経験が浅い場合は「紹介できる求人がない」と断られるケースが多発しており、未経験者には極めて不親切なサービスです。
4. 転職見込みなしと判断されると対応が急変
「面談後に紹介できる求人がないと言われて以降、急に対応が事務的になりました。やんわり断られたのかもしれませんが、最初の丁寧な印象とのギャップが大きくて残念でした。」
出典:TalentSquare
私が業界関係者から聞いた話では、転職成功の見込みが低いと判断された求職者への対応の質が明らかに低下するという報告が複数あります。「紹介できる求人があれば連絡する」と言われたきり音信不通になるケースも散見されます。
5. 希望条件を無視した的外れな求人紹介
「自分の求めている求人情報ではない求人情報を提供されてしまうことが多々ありました。この辺りのニュアンスの共有は一朝一夕には難しいため、信頼関係の構築もある程度は必要だとおもいました。」
出典:Qiita Job Change
実際に調査したところ、担当者のIT業界への理解が浅く、技術的な要望を正確に理解できていないケースが多いようです。「転職サイトらしく、全体的に広い知識を持った方が多く、専門的な知識を求めている方には物足りない」という評価も目立ちます。
良い評判・メリット
1. 2名体制でのサポートという独自性
「キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの2名体制でサポートをしてくれるところです。様々な点までアドバイスしてくれたところは、とても良かったなと感じています。」
出典:すべらない転職
確かに2名体制は特徴的ですが、ただし、実際のところ2名いても連携が取れていないケースもあり、むしろ大手エージェントの専任アドバイザー1名の方が効率的という声も聞かれます。
2. 年収アップの可能性がある
「前職と比較し、60万円以上の年収アップに成功しました!経験とスキルを考慮し、私に最適な求人を紹介していただいたと思います。」
出典:すべらない転職
年収アップ率76%という数字は確かに魅力的ですが、とはいえ、これは主に「すでに高スキルを持つエンジニア」の話であり、全員が年収アップできるわけではありません。レバテックキャリアやビズリーチの方が高年収求人は豊富です。
3. 上場企業グループという安心感
「ウィルグループは、長年にわたって人材業界で実績を築いてきた上場企業であり、安定した経営基盤と豊富なノウハウを有しています。」
出典:TalentSquare
確かに東証プライム上場企業の傘下ではありますが、ただし、サービス開始が2021年4月と歴史が浅く、IT転職エージェントとしての実績はまだまだ不足していると言わざるを得ません。
ウィルオブテックの基本情報
運営会社 | 株式会社ウィルオブ・ワーク |
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設立年 | 1997年1月(サービス開始2021年4月) |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング55階 |
対象年齢層 | 20代後半~40代前半 |
主要取扱求人 | ITエンジニア(開発系33.7%、インフラ系13%) |
許認可 | 有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-080459 |
登録者数 | 非公開(推定1万人以下) |
業界専門家としてのインサイダー分析
私が人材業界で15年のキャリアを積んできた経験から申し上げますと、ウィルオブテックは「後発の小規模エージェント」と評価せざるを得ません。
市場ポジションの実態
2021年4月のサービス開始という後発組であり、レバテックキャリア(2014年~)、マイナビITエージェント(2012年~)といった先行大手と比較すると、求人数は推定で5分の1以下、企業との関係性も浅く、交渉力においても明らかに劣勢です。正直なところ、業界内での存在感は極めて薄いと言わざるを得ません。
サービスの構造的問題点
ウィルオブテックが抱える根本的な問題は、差別化要素の弱さです。「2名体制」という触れ込みも、実際には連携不足で機能していないケースが多く、むしろ非効率という評価も。以下の条件を満たす人以外には推奨できません:
- 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)在住であること
- ITエンジニアとして3年以上の実務経験があること
- 他の大手エージェントをすでに利用していること
向いている人・向いていない人
向いている人
- 東京23区内で転職を希望する人
- エンジニア経験5年以上のベテラン
- すでに大手エージェントに登録済みの人
- 年収600万円以上の現職者
- 時間的余裕がありサブ的に利用したい人
向いていない人
- 地方在住の転職希望者
- IT業界未経験者・第二新卒
- 急いで転職したい人
- 豊富な求人から選びたい人
- 専門的な技術相談をしたい人
- 初めて転職エージェントを利用する人
実践的なアドバイス
ウィルオブテックを利用する際の注意点
- 必ず大手転職エージェントと併用するウィルオブテック単独では求人数が圧倒的に不足しています。リクルートエージェント、doda、ビズリーチなど大手サービスをメインに据えて、ウィルオブテックはサブ的な位置づけで活用することをお勧めします。
- 期待値を下げて利用する「2名体制」「年収アップ率76%」といった謳い文句に過度な期待は禁物です。実際には大手エージェントの方が実績・ノウハウともに優れています。
- 地方在住者は利用を避ける首都圏以外の求人はほぼ期待できません。地方在住の方は、全国展開している大手エージェントの利用を強く推奨します。
- 他社サービスでの市場価値確認を先にまずは大手エージェントで自分の市場価値を確認してから、ウィルオブテックの利用を検討することをお勧めします。
※本記事の内容は2025年9月時点の調査に基づくものです。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。また、本記事は個人の見解を含んでおり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。転職は個人の状況により結果が異なりますので、複数のサービスを比較検討の上、ご自身の判断で選択してください。