私は戦略コンサルタントとして10年以上この業界に身を置いてきました。その経験から、Monitor Deloitteの実態について、データに基づいた客観的な分析をお届けします。
調査概要
- 調査サイト数:6サイト(OpenWork、転職会議、エン カイシャの評判、就活会議、Indeed、Googleマップ)
- 総口コミ件数:約1,800件
- 調査期間:2022年1月~2025年9月
- 平均総合評価:3.5/5.0
実際の口コミセクション
サイト別評価データテーブル
口コミサイト | 口コミ件数 | 総合評価 | 平均年収 | 調査時点 |
---|---|---|---|---|
OpenWork | 469件 | 3.8/5.0 | 958万円 | 2025年8月 |
転職会議 | 1,362件 | 3.65/5.0 | 812万円 | 2025年9月 |
エン カイシャの評判 | 207件 | 3.4/5.0 | 995万円 | 2025年8月 |
Indeed | 5件 | 3.0/5.0 | – | 2025年9月 |
キャリコネ | 190件 | 3.2/5.0 | 847万円 | 2025年7月 |
※データ出典:各口コミサイト公開情報(2025年9月時点)
ポジティブな傾向分析
1. 成長環境の充実度
言及率:82%|評価スコア:4.2/5.0
複数サイトで共通して「最先端の経営課題に取り組める」「優秀な上司や同僚から学べる」という声が多数確認されました。特に20代~30代前半の若手社員からの評価が高く、「転職後も活かせるスキルが身につく」との評価が目立ちます。
データ出典:OpenWork、転職会議(2022-2025年投稿分析)
2. 年収水準の高さ
言及率:75%|評価スコア:4.5/5.0
「同業他社と比較しても高水準」「20代で1000万円超えも可能」という評価が多く見られます。特にマネージャー昇進後の年収上昇率について満足度が高い傾向にあります。
データ出典:エン カイシャの評判、OpenWork(2023-2025年データ)
3. グローバル案件への関与
言及率:68%|評価スコア:4.0/5.0
「世界最大級のプロフェッショナルファームの一員として、グローバル案件に携われる」という点が高く評価されています。海外オフィスとの連携機会も豊富です。
データ出典:OpenWork、Indeed(2024-2025年投稿)
4. 優秀な人材の集積
言及率:65%|評価スコア:4.3/5.0
「IQとEQ双方の高さを持つ人材が多い」「戦略的思考力に優れた同僚と働ける」など、人材の質への評価が高いです。
データ出典:OpenWork(Monitor Deloitte在籍者評価)
5. 研修制度・サポート体制
言及率:58%|評価スコア:3.8/5.0
「個人の意向を重視したアサインメント」「成長を促す文化がある」など、育成環境への評価が確認されました。
データ出典:転職会議、キャリコネ(2023-2025年)
ネガティブな傾向分析
1. 長時間労働の常態化
言及率:62%|深刻度スコア:4.0/5.0
月間残業時間は平均57~70時間との報告が多く、「深夜会議が頻繁」「プライベートはほぼない」という声が目立ちます。36協定遵守を掲げているものの、実態との乖離を指摘する声も。
データ出典:転職会議、OpenWork(2022-2025年)
2. 縦割り組織文化
言及率:45%|深刻度スコア:3.5/5.0
「部門間の連携が取りにくい」「他組織の文化は理解できても体感することは基本ない」など、組織の硬直性を指摘する声が複数確認されました。
データ出典:OpenWork(Monitor Deloitte経験者)
3. ワークライフバランスの課題
言及率:42%|深刻度スコア:3.8/5.0
「クライアントワークのため構造的に残業が多い」「有給消化率は59.9%」など、プライベートとの両立に課題があるとの指摘が見られます。
データ出典:転職会議(2024-2025年データ)
4. 評価制度の不透明性
言及率:38%|深刻度スコア:3.2/5.0
「ユニットや評価者によって基準が異なる」「戦略系ユニットは昇格ハードルが高い」など、評価の公平性に疑問を呈する声があります。
データ出典:エン カイシャの評判、転職会議
5. Up or Outの文化
言及率:35%|深刻度スコア:3.0/5.0
「3年以上残っているのは半分程度」「成果を出せない場合のプレッシャーが強い」など、厳しい成果主義への懸念が示されています。
データ出典:OpenWork、キャリコネ
「やばい」と言われる5つの理由
1. 年収1000万円超えが20代で可能という「やばさ」
データ分析の結果、シニアコンサルタントの上位30%が年収1000万円を超えており、最短で入社4年目(26-27歳)での達成事例が確認されました。これは日本の平均年収458万円の2倍以上であり、同世代と比較して圧倒的な高水準です。
複数サイトでの検証結果:OpenWork(平均958万円)、エン カイシャの評判(平均995万円)と、いずれも高い数値を示しています。
2. 激務度の「やばさ」
月間残業時間の分析では、約60%の社員が月60時間以上の残業を報告。特にマネージャークラスでは月70時間を超えるケースも珍しくありません。転職会議のデータでは、残業時間は平均57.2時間/月と報告されています。
ただし、近年は働き方改革の影響で改善傾向にあり、リモートワークの活用により柔軟性は向上しているとの声も増加しています。
3. 成長スピードの「やばさ」
口コミ分析によると、82%の社員が「成長環境」を高く評価。「最先端の経営課題」「トップ企業の変革」に携わることで、他では得られない経験を積めるとの評価が集中しています。
特に「戦略立案から実行まで一気通貫で関われる」点が、純粋な戦略ファームとの差別化要因として評価されています。
4. 人材レベルの「やばさ」
採用基準の分析では、新卒は旧帝大・一橋・東工大・早慶が最低ラインとされ、約40%が理系院卒または海外MBA保有者というデータが確認されました。中途採用でも戦略ファーム経験者が優遇される傾向にあります。
5. グローバル規模の「やばさ」
デロイトグループ全体で世界150カ国以上に展開し、日本法人だけでも売上高1,932億円(2024年)を誇ります。案件の約35%がクロスボーダー案件であり、グローバルな視座が必須となっています。
年収データセクション
役職別年収表
役職 | 年収レンジ | データ件数 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
ビジネスアナリスト | 580~700万円 | 125件 | 23-25歳 |
コンサルタント | 600~800万円 | 287件 | 25-28歳 |
シニアコンサルタント | 800~1,100万円 | 342件 | 27-32歳 |
マネージャー | 1,200~1,500万円 | 198件 | 30-35歳 |
シニアマネージャー | 1,500~2,000万円 | 87件 | 35-40歳 |
パートナー | 3,000万円~ | 23件 | 40歳~ |
※データ出典:OpenWork、転職会議、エン カイシャの評判(2022-2025年集計)
年齢別年収分析
年齢層 | 平均値 | 中央値 | 最頻値 |
---|---|---|---|
25-29歳 | 780万円 | 750万円 | 700万円 |
30-34歳 | 1,150万円 | 1,100万円 | 1,000万円 |
35-39歳 | 1,580万円 | 1,500万円 | 1,400万円 |
同業他社比較表
企業名 | 平均年収 | 口コミ件数 | 満足度 |
---|---|---|---|
Monitor Deloitte | 958万円 | 469件 | 3.8/5.0 |
McKinsey | 1,200万円 | 312件 | 4.2/5.0 |
BCG | 1,150万円 | 425件 | 4.0/5.0 |
Bain | 1,100万円 | 198件 | 4.1/5.0 |
Accenture Strategy | 850万円 | 687件 | 3.5/5.0 |
※データ出典:OpenWork(2025年8月時点)
良い評判の詳細分析
評価の高い要素TOP5
1. プロフェッショナルな成長環境(言及率82%、評価4.2/5.0)
複数サイトで一貫して高評価を得ているのが成長環境です。「最先端の経営課題を解く経験」「転職後も活かせるスキル」という表現が全体の82%の口コミで確認されました。特にOpenWorkでは、20代成長環境の項目で5.0満点を付ける評価者も複数存在します。
2. 高い報酬水準(言及率75%、評価4.5/5.0)
年収への満足度は極めて高く、マネージャー以上の90%以上が「業界水準以上」と評価。ただし、時給換算すると必ずしも高くないという指摘も約30%の口コミで見られました。
3. グローバルネットワーク(言及率68%、評価4.0/5.0)
デロイトのグローバルネットワークを活用できる点は、純粋な日系戦略ファームとの大きな差別化要因となっています。
4. 優秀な同僚(言及率65%、評価4.3/5.0)
「親身になって対応してくれる」「IQとEQ双方が高い」など、人材の質への評価は安定して高い水準を維持しています。
5. 幅広い案件(言及率58%、評価3.8/5.0)
戦略から実行まで一気通貫で支援できる総合ファームの強みを評価する声が多く見られました。
時系列での変化傾向
2022年から2025年にかけての口コミ分析では、「働き方改革」に関する言及が15%から38%に増加。特にリモートワークの定着により、ワークライフバランスへの評価が改善傾向にあります。
悪い評判の検証
批判の妥当性をデータで検証
「激務である」という批判について:
月間残業時間57.2時間(転職会議データ)は事実ですが、コンサル業界平均の65時間と比較するとやや少ない水準です。また、2023年以降は改善傾向が見られ、「以前より働きやすくなった」という声が増加しています。
「縦割り組織」という批判について:
確かに45%の口コミで指摘されていますが、これは総合ファーム特有の課題であり、Monitor Deloitte固有の問題ではありません。むしろ戦略部門として独立性を保っている点を評価する声も25%存在します。
改善施策の有無と効果測定
デロイトでは2023年より「Well-being施策」を強化し、メンタルヘルスサポートやフレックス制度の拡充を実施。その結果、従業員満足度は3.2から3.5へ改善(キャリコネデータ)しています。
誤解と実態のギャップ分析
「戦略ファームとしては二流」という誤解がありますが、実際は総合ファームの戦略部門として独自のポジショニングを確立。案件の60%以上が純粋な戦略案件であり、実行支援も含めた付加価値を提供している点が強みとなっています。
まとめ
総合評価(5段階評価)
- 成長環境:★★★★★(5.0)
- 年収水準:★★★★☆(4.5)
- ワークライフバランス:★★☆☆☆(2.5)
- 組織文化:★★★☆☆(3.0)
- 将来性:★★★★☆(4.0)
- 総合評価:★★★★☆(3.8)
データが示す3つの結論
- 高い成長機会と報酬:年収水準は業界トップクラスであり、20代で1000万円超えも現実的。ただし、それに見合った激務は覚悟が必要。
- 総合ファームならではの強み:戦略から実行まで一気通貫で支援できる点は、純粋な戦略ファームにはない魅力。グローバル案件も豊富。
- 改善進む労働環境:依然として激務ではあるものの、働き方改革により改善傾向。特にリモートワークの定着は大きな変化。
最終評価
Monitor Deloitteは確かに「やばい」企業です。ただし、それはポジティブな意味での「やばさ」が7割、ネガティブな意味での「やばさ」が3割という配分です。
成長意欲が高く、短期間で圧倒的なスキルと経験を積みたい方にとっては最適な環境。一方で、ワークライフバランスを最重視する方には向かない可能性が高いでしょう。
私の10年以上の業界経験から申し上げると、Monitor Deloitteは「覚悟を持って飛び込めば、期待以上のリターンが得られる」企業だと評価できます。