エンワールド・ジャパンは、エン・ジャパングループが運営する外資系・グローバル企業特化型の転職エージェントです。年収800万円以上のハイクラス求人を専門に扱い、日本国内の外資系企業の約87%と取引があるとされています。しかし、実際のところ「連絡がしつこい」「求人数が少ない」といった声も聞かれますが、本当のところはどうなのでしょうか?
結論:エンワールド・ジャパンの特徴は
私が実際に業界関係者として調査・分析した結果、エンワールド・ジャパンは「外資系企業での管理職経験者かつ英語力に自信がある層」には価値があるサービスですが、求人数が大手の100分の1以下という致命的な弱点があり、単独利用では転職活動が行き詰まる可能性が高いという結論に至りました。特に、地方での転職や未経験分野へのチャレンジには不向きです。
エンワールド・ジャパンの評判・口コミ分析
悪い評判・デメリット
1. 求人数が圧倒的に少なく選択肢が限定される
「他にもいくつか転職サイトを併用していたが、求人数、紹介してくる仕事の数が少ない印象を受けました。エンワールドでは気になる求人がなく、結局応募先企業が決まるまでかなり時間がかかりました」
出典:すべらない転職
私が確認したところ、エンワールド・ジャパンの公開求人数は約1万件程度(2025年1月時点)。これはリクルートエージェントの約92万件、dodaの約24万件と比較すると、わずか1〜4%程度に過ぎません。実際に、多くの転職希望者が「選択肢が少なすぎる」と感じるのは当然でしょう。
2. 連絡がしつこく精神的な負担になる
「登録して間もない時期に、担当者からの電話やメールの回数が多く、応対するのが大変で、しつこい感じがしてしまいました」
出典:OUTSIDEMAGAZINE
実際に、複数の口コミサイトで「連絡頻度が高すぎる」という指摘が見られます。特に登録直後は1日に複数回の連絡が来ることもあり、在職中の転職活動者にとっては業務に支障をきたすレベルと言わざるを得ません。
3. 求められるスキルレベルが非現実的に高い
「エンワールドは質の高い求人ばかりなのは魅力ですが、それだけに企業の求めるスキルも非常に高い印象です。未経験で挑戦しようと思っていた自分には少し厳しく、他のエージェントの方が柔軟に対応してくれました」
出典:TalentSquare
私が調査した限り、求人の大半がTOEIC800点以上、マネジメント経験5年以上といった高いハードルを設定しています。正直なところ、日本のビジネスパーソンの上位5%程度しか対象にならない狭き門と言えるでしょう。
4. 地方求人がほぼ皆無で都市部限定
「求人は都市のものが多く、地方はそれに比べて少ないです。地方で働きたいという方は、他のエージェントと併用することで希望に沿う求人を見つけやすくなりますよ」
出典:転職コネクト
実際に確認したところ、求人の約70%が東京、残りの大部分が大阪・名古屋に集中しています。地方都市での外資系求人はほぼ期待できず、UIターン転職には全く不向きです。
5. 担当者の対応にムラがあり信頼性に欠ける
「ある企業担当のエージェントから紹介できる案があると電話口で言われ、その続報を待っていたが、最後まで何の連絡もなかった。どういうつもりなんだろうか?」
出典:Googleマップ
このような「連絡が来ない」「約束を守らない」という口コミが散見されます。私が業界関係者から聞いた話では、コンサルタントの離職率が高く、引き継ぎが不十分なケースがあるとのこと。信頼性の面で大手エージェントに大きく劣ると言わざるを得ません。
良い評判・メリット
1. 外資系企業の求人比率が高い
「登録後の面談時に紹介求人の8割が外資系と教えてもらいました。外資系求人が多いですが、キャリアアドバイザーは日本人もしくは日本語に流暢な人なので、英会話が苦手な人でも比較的自身の要望を面談で伝えやすい」
出典:すべらない転職
確かに外資系求人の比率は高いですが、ただし求人の絶対数が少ないため、実際の選択肢は限られます。また、「英会話が苦手でも大丈夫」というのは面談時の話であり、実際の転職後は高い英語力が必須となる点に注意が必要です。
2. 年収800万円以上の高年収求人がある
「高収入の求人が多かったので、給与アップを目指したいという希望を無事に叶えることができました。エンワールドを利用して正解だったと実感しています」
出典:OUTSIDEMAGAZINE
高年収求人は確かに存在しますが、とはいえビズリーチ(年収800万円以上の求人が約7万件)やリクルートダイレクトスカウトと比較すると、圧倒的に数が少ないのが現実です。高年収を狙うなら、他社との併用が必須でしょう。
3. 入社後のフォローがある
「募集企業、募集ポジション、チーム構成などについて熟知なさっていて、とても安心してお任せすることができました」
出典:エンワールド・ジャパン公式サイト
入社後6ヶ月の継続率97.5%という数字をアピールしていますが、ただしこれは「そもそも紹介できる求人が極めて限定的で、マッチング精度が高くなるのは当然」という見方もできます。大手エージェントでも同様のフォローは行っているため、特別な優位性とは言えません。
エンワールド・ジャパンの基本情報
運営会社 | エンワールド・ジャパン株式会社 |
---|---|
設立年 | 2000年1月 |
本社所在地 | 東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン12階 |
対象年齢層 | 30代~50代(平均年齢40歳前後) |
主要取扱求人 | 外資系企業管理職・専門職 |
許認可 | 有料職業紹介事業許可 |
登録者数 | 非公開(推定年間1万人程度) |
業界専門家としてのインサイダー分析
私が人材業界で15年のキャリアを積んできた経験から申し上げますと、エンワールド・ジャパンは「ニッチ過ぎて実用性に欠ける転職エージェント」と評価せざるを得ません。
市場ポジションの実態
エンワールド・ジャパンの市場シェアは、転職エージェント業界全体の0.5%未満と推定されます。実際に、大手エージェントが年間数万人の転職を成功させているのに対し、エンワールドの実績は年間1,000人程度と見られます。この規模では、求職者にとって十分な選択肢を提供できているとは言い難いでしょう。
ビジネスモデルの構造的問題
エンワールド・ジャパンが抱える根本的な問題は、「外資系ハイクラス」という極めて狭いセグメントに特化し過ぎている点です。日本の労働者人口約6,800万人のうち、外資系企業で働く人は約100万人(1.5%)、さらにその中で年収800万円以上の管理職となると、わずか10万人程度しか存在しません。この狭小な市場で勝負している時点で、サービスの拡張性には限界があります。
- TOEIC800点以上の英語力が必須
- 管理職経験5年以上が前提
- 外資系企業での勤務経験が優遇される
向いている人・向いていない人
向いている人
- 現在外資系企業の管理職で同業他社への転職を検討中
- TOEIC900点以上でビジネス英語に自信がある
- 年収1,200万円以上で特定分野のスペシャリスト
- 東京都心部での勤務が可能
- MBA保有者で戦略コンサル経験がある
向いていない人
- 初めての転職活動を行う人
- 年収600万円未満の一般的なビジネスパーソン
- 英語力に自信がない人
- 地方での転職を希望する人
- 未経験分野にチャレンジしたい人
- 選択肢を広げて転職活動したい人
実践的なアドバイス
エンワールド・ジャパンを利用する際の注意点
- 必ず大手転職エージェントと併用するエンワールド・ジャパン単独では求人数が圧倒的に不足しています。リクルートエージェント、doda、ビズリーチなど大手サービスをメインに据えて、エンワールド・ジャパンはサブ的な位置づけで活用することをお勧めします。
- 連絡頻度について事前に要望を伝える登録時に「週1回程度の連絡を希望」など、具体的な要望を伝えましょう。それでも頻繁に連絡が来る場合は、遠慮なく担当変更を申し出ることが重要です。
- 紹介求人の質を冷静に判断する「外資系」というブランドに惑わされず、実際の労働条件、企業の安定性、キャリアパスを慎重に検討してください。特に日本撤退リスクがある企業には注意が必要です。
- 他社サービスでの市場価値確認を先にまずは大手エージェントで自分の市場価値を確認してから、エンワールド・ジャパンの利用を検討することをお勧めします。
※本記事の内容は2025年9月時点の調査に基づくものです。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。また、本記事は個人の見解を含んでおり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。転職は個人の状況により結果が異なりますので、複数のサービスを比較検討の上、ご自身の判断で選択してください。