ロバート・ウォルターズは、1985年に英国ロンドンで設立された外資系転職エージェントです。日本では2000年から東京、2007年から大阪で事業を展開し、外資系・日系グローバル企業への転職支援を専門としています。年収1000万円を超えるハイクラス求人が中心という触れ込みですが、本当に転職希望者にとって価値のあるサービスなのでしょうか?
結論:ロバート・ウォルターズの特徴は
私が実際に業界関係者として調査・分析した結果、ロバート・ウォルターズは「ビジネスレベル以上の英語力を持つハイクラス人材」には価値があるサービスですが、一般的な転職希望者には使いづらく、大手エージェントと比較して選択肢が限定的という結論に至りました。特に、英語力不足の場合の対応の冷たさや、求人数の少なさは要注意です。
ロバート・ウォルターズの評判・口コミ分析
悪い評判・デメリット
1. 英語力が低いと連絡すら来ない
「初回の面談まではスムーズでしたが、私の経験があまり活かせる求人がなかったせいか、その後の連絡はほとんどありませんでした。期待していただけに、冷たく感じました。」
出典:タレントスクエア
私が確認したところ、ロバート・ウォルターズはビジネスレベル以上の英語力がない候補者への対応が極端に冷淡になる傾向があります。実際に、英語での面談ができない場合、その後一切連絡が来なくなるケースが多数報告されています。これは外資系エージェント特有の「効率重視」の姿勢の表れと言わざるを得ません。
2. 求人数が圧倒的に少ない
「ロバート・ウォルターズは全体的に求人数が少ないと思います。ハイクラス企業に絞ってご案内頂けるのは分かっているのですが、それでももう少しご紹介いただける求人に幅があると思いました。」
出典:タレントスクエア
実際に他社と比較すると、ロバート・ウォルターズの公開求人数は極めて限定的です。リクルートエージェントやdodaが数万件規模の求人を保有しているのに対し、ロバート・ウォルターズは数百件程度。選択肢の少なさは転職活動において致命的な弱点になりかねません。
3. ハイクラス過ぎて一般転職者には不向き
「紹介される求人は自分にとって要求水準が高い求人ばかりでした。ハイクラス企業に行くスキルがない場合は他の転職エージェントを活用した方がいいかもしれません。」
出典:タレントスクエア
私の経験上、ロバート・ウォルターズが扱う求人の大半は、マネジメント経験や専門性、そして高い英語力を同時に求めるものです。年収800万円以下の求人はほとんどなく、第二新卒や経験の浅い転職希望者にとっては現実的な選択肢がないと言わざるを得ません。
4. チーム体制による対応の一貫性の欠如
「選考を受ける企業によって担当の方が変わったりするため、コミュニケーションが大変だと感じることがありました。一人のアドバイザーにずっと相談できる体制ではないため、不安な点があっても継続的に相談しづらかったです。」
出典:タレントスクエア
チーム体制を謳っていますが、実態は「担当者がコロコロ変わる」状態です。転職という人生の重要な決断において、一貫したサポートが受けられないのは大きな不安要素です。正直なところ、この点は大手エージェントの専任担当制の方が優れていると言わざるを得ません。
5. 外資系特有のドライな対応
「ロバート・ウォルターズは外資特有の冷たい感じ。やたらと総合コンサル紹介してくる。コンサルタントはクセが強いし仕事出来ない人ばかりに当たった」
出典:フリーコンサル
実際に利用した方々の声を聞くと、日系エージェントのような「寄り添い型」のサポートは期待できません。成果主義的な文化が強く、転職可能性が低いと判断されると、途端に対応が雑になるケースが散見されます。メンタル面のサポートを求める方には不向きでしょう。
良い評判・メリット
1. 外資系求人の質は確かに高い
「外資系企業の求人をメインに扱っており、キャリアアップや年収アップなどにつながる求人が多い点が良かったです。」
出典:すべらない転職
確かに、扱っている求人の「質」自体は高いです。ただし、これらの求人にアクセスできるのは既にハイスペックな人材のみ。一般的な転職希望者にとっては、絵に描いた餅になりがちです。
2. 業界専門コンサルタントの知識は豊富
「コンサルタントの質がかなり高いことです。各企業の社風や求める人物像やスキルなどをかなり細かく熟知しており、最適な求人をいくつか紹介してくれました。」
出典:すべらない転職
コンサルタントの専門知識は確かに深いですが、とはいえ、その恩恵を受けられるのは英語でコミュニケーションが取れる候補者のみ。また、知識があっても対応がドライという声も多く、総合的な満足度は必ずしも高くありません。
3. 英文レジュメ作成サポートは充実
「英語のレジュメ作成ができるコンテンツもあり、英語での面接対策も心強かったです。」
出典:すべらない転職
英文書類作成のサポートは確かに充実しています。ただし、そもそも英語力がない方にはこのサービス自体が利用できないという矛盾があります。既に英語ができる方向けのサービスと考えるべきでしょう。
ロバート・ウォルターズの基本情報
運営会社 | ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社 |
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設立年 | 2000年1月4日(日本法人) |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル14階 |
対象年齢層 | 25歳~50歳(実質30代後半~40代中心) |
主要取扱求人 | 外資系企業・日系グローバル企業(管理職・専門職中心) |
許認可 | 厚生労働大臣許可番号:13-ユ-070385 |
登録者数 | 非公開(推定数万人規模) |
業界専門家としてのインサイダー分析
私が転職業界で10年以上のキャリアを積んできた経験から申し上げますと、ロバート・ウォルターズは「ニッチ過ぎて実用性に欠ける」と評価せざるを得ません。
市場ポジションの実態
ロバート・ウォルターズの日本市場でのシェアは1%未満と推定されます。リクルートエージェントやdoda、ビズリーチといった大手と比較すると、求人数は100分の1以下、登録者数も圧倒的に少ない状況です。この規模の差は、転職希望者にとって選択肢の少なさに直結します。
構造的な問題:英語力の壁が高すぎる
最大の問題は、サービスを利用するための前提条件が厳しすぎることです。以下の条件をすべて満たす必要があります:
- ビジネスレベル以上の英語力(TOEIC900点以上が目安)
- 専門分野での5年以上の実務経験
- 現年収800万円以上(理想は1000万円以上)
これらの条件を満たす転職希望者は、日本の転職市場全体の5%未満と推定されます。つまり、95%以上の転職希望者にとっては利用価値がないサービスなのです。
向いている人・向いていない人
向いている人
- TOEIC900点以上の英語力を持つ
- 現年収1000万円以上のハイクラス人材
- 外資系企業での勤務経験が3年以上ある
- MBA等の海外学位を保有している
- 転職を急いでおらず、じっくり探せる余裕がある
向いていない人
- 英語力に自信がない(TOEIC800点未満)
- 第二新卒や経験の浅い転職希望者
- 幅広い選択肢から求人を選びたい
- 日系企業への転職を希望している
- 手厚いサポートを求めている
- 地方での転職を検討している
実践的なアドバイス
ロバート・ウォルターズを利用する際の注意点
- 必ず大手転職エージェントと併用するロバート・ウォルターズ単独では求人数が圧倒的に不足します。リクルートエージェント、doda、ビズリーチなど大手サービスをメインに据えて、ロバート・ウォルターズはサブ的な位置づけで活用することをお勧めします。
- 英語力が不十分なら利用を避けるTOEIC800点未満の方は、正直なところ時間の無駄になる可能性が高いです。まずは英語力を向上させるか、日本語でサポートが受けられるJACリクルートメントの利用を検討してください。
- 過度な期待は禁物「外資系専門」という看板に惹かれがちですが、実際の求人数や対応の質は期待を下回ることが多いです。過度な期待を持たず、あくまでオプションの一つとして考えましょう。
- 他社サービスでの市場価値確認を先にまずは大手エージェントで自分の市場価値を確認してから、ロバート・ウォルターズの利用を検討することをお勧めします。
※本記事の内容は2025年9月時点の調査に基づくものです。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。また、本記事は個人の見解を含んでおり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。転職は個人の状況により結果が異なりますので、複数のサービスを比較検討の上、ご自身の判断で選択してください。