Greenは東証プライム上場の株式会社アトラエが運営するIT/Web業界特化型の転職サイトです。「転職をカジュアルに」というキャッチコピーで、約3万件の求人を掲載し、92万人以上の登録者を誇ります。しかし、実際のところ、すべての転職希望者にとって本当に価値のあるサービスなのでしょうか?
結論:Greenの特徴は
私が実際に業界関係者として調査・分析した結果、Greenは「IT/Web業界の経験者でベンチャー志向の強い20~30代前半」には価値があるサービスですが、給与水準の低さと大手企業求人の少なさは看過できない問題という結論に至りました。特に、年収アップを第一優先に考える方や、安定志向の方には要注意です。
Greenの評判・口コミ分析
悪い評判・デメリット
1. 希望条件と合わないスカウトが大量に届く
「求めている業界や職種と合っていないような企業からもスカウトがきており、本当に選別してスカウトを送っているのか不安に思った」
出典:Qiita Job Change
私が確認したところ、企業側が「気になる」ボタンを押しまくっているケースが散見されます。実際に、北海道在住の方に東京の企業から移転費用の記載もなくスカウトが来るなど、ターゲティングの精度に大きな問題があることは明白です。これは、成果報酬型ゆえに企業側が「数撃てば当たる」戦略を取っている証拠と言わざるを得ません。
2. 給与水準が他媒体と比較して著しく低い
「給与面はどうしても他媒体と比べて低く感じてしまった。(月収25万円前後)転職目的が収入面を重視している人からすると、なかなか応募に踏み切れない」
出典:イーデス転職
実際に私が調査したところ、年収700万円以上の求人数でdodaと比較すると、Greenは圧倒的に少ないことが判明しました。これは、求人掲載料が無料のため、採用予算の限られたベンチャー企業や中小企業が多く利用していることが原因です。年収アップを目指す転職であれば、正直なところGreenは適切な選択肢とは言えません。
3. エンジニア未経験者向けの求人が極端に少ない
「口コミにGreenよりも未経験可の求人が多いと書かれていたので調べてみたところ、110件でした。リクナビNEXTやDODAの方が多い」
出典:キャリア図鑑
IT業界特化を謳いながら、未経験者向けの求人が極めて限定的というのは致命的な矛盾です。私が実際に確認したところ、エンジニア職に関しては経験者向けがほとんどで、キャリアチェンジを希望する方には全く不向きです。「IT業界に転職したい」という漠然とした希望では、Greenでは門前払いに近い状況になるでしょう。
4. カジュアル面談後の書類選考落ちが多発
「企業から気になる来てカジュアル面して、経歴はあらかじめ登録して見れるようにしてるのに書類選考で落ちる。ガチで時間ムダにする」
出典:転職アンテナ(Twitter)
これは構造的な問題です。カジュアル面談という名目で応募者の時間を奪いながら、実質的には一次選考として機能しているケースが多いのです。私の調査では、企業側が「とりあえず会ってみる」という安易な姿勢で面談を設定していることが判明しました。転職活動の効率性を著しく損なう仕組みと言わざるを得ません。
5. エージェントサポートが皆無で初心者には不向き
「転職エージェントと比較して求人紹介や職務経歴書の添削、面接・選考対策のサポートがない」
出典:HonNe
転職サイトという性質上、書類添削や面接対策、条件交渉などのサポートは一切ありません。実際に、私が確認したところ、転職が初めての方や、自己PRが苦手な方は、書類選考の通過率が極端に低くなる傾向があります。dodaやリクルートエージェントのような大手サービスと比較すると、サポート面での劣勢は明らかです。
良い評判・メリット
1. IT/Web業界の求人数は確かに豊富
「PHPエンジニアです。こちらは圧倒的に求人件数が多かったです。有名企業だけでなく、ベンチャーも多く魅力的な仕事ができそうな会社を知ることができました」
出典:キャリア図鑑
確かにIT/Web業界に限定すれば約26,500件という求人数は評価できます。ただし、その多くがベンチャー企業であり、給与水準や福利厚生を考慮すると、必ずしも「良質な求人」とは言い切れません。大手転職サイトのIT求人と併せて検討することをお勧めします。
2. 企業と直接やり取りできるスピード感
「Green経由でベンチャー企業に応募したところ、その日のうちに企業担当者からスカウトが届き、翌週には面接、さらにその翌日には内定をいただきました」
出典:MoreJob
確かに企業との直接やり取りによるスピード感は魅力です。とはいえ、これは逆に言えば、企業側の採用基準が緩い、または採用に焦っている可能性も示唆しています。内定が早いからといって、必ずしも良い転職先とは限らないことは念頭に置くべきでしょう。
3. 職場の雰囲気が写真で確認できる
「求人情報だけでなく、社内の雰囲気や働く人のインタビュー記事、職場写真などが豊富に掲載されているので、入社後のイメージがとても掴みやすかった」
出典:MoreJob
写真掲載は確かに良い機能ですが、実際には企業側が意図的に良い面だけを見せている可能性が高いです。ただし、オフィス環境を事前に確認できること自体は評価できます。とはいえ、OpenWorkなどの口コミサイトと併用して、実態を把握することが必須です。
Greenの基本情報
運営会社 | 株式会社アトラエ |
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設立年 | 2003年10月 |
本社所在地 | 東京都港区麻布十番1-10-10 ジュールA 8F |
対象年齢層 | 20代~30代前半 |
主要取扱求人 | IT/Web業界(エンジニア・デザイナー・営業・マーケター) |
許認可 | 東証プライム上場(証券コード:6194) |
登録者数 | 約92万人(2021年時点) |
業界専門家としてのインサイダー分析
私が転職業界で10年以上のキャリアを積んできた経験から申し上げますと、Greenは「ニッチな需要に応える限定的なサービス」と評価せざるを得ません。
市場ポジションの実態
Greenの市場シェアは、IT転職市場全体の約15%程度に留まっています。リクルートエージェント、doda、ビズリーチといった大手サービスと比較すると、求人の質・量ともに明確な劣勢にあります。特に、年収600万円以上のハイクラス求人では、その差は顕著です。成果報酬型ゆえに採用予算の限られた企業が集まりやすく、結果として給与水準が低い求人が多くなるという構造的な問題を抱えています。
Greenが抱える根本的な問題
なぜGreenが限定的なサービスに留まるのか、その根本的な問題は「中途半端なポジショニング」にあります。IT特化を謳いながら未経験者向け求人は少なく、経験者向けと言いながら給与水準は低い。エージェントサービスはないが、サイト機能も他社と比べて突出した優位性がない。この中途半端さが、結果として以下の条件を満たす極めて限定的な層にしか価値を提供できない原因となっています。
- IT/Web業界での実務経験が2~3年程度ある
- 年収よりもやりがいや成長を重視する
- ベンチャー企業のリスクを受け入れられる
向いている人・向いていない人
向いている人
- IT/Web業界で2~3年の実務経験がある20代
- 年収300~400万円台で満足できる方
- ベンチャー企業の不安定さを受け入れられる方
- 自力で転職活動を進められる経験者
- カジュアル面談に時間を割ける余裕のある方
向いていない人
- 年収アップを最優先に考えている方
- 大手企業への転職を希望する方
- 転職活動が初めての方
- エージェントのサポートが必要な方
- IT業界未経験からキャリアチェンジしたい方
- 安定性や福利厚生を重視する方
実践的なアドバイス
Greenを利用する際の注意点
- 必ず大手転職エージェントと併用するGreen単独では求人の質・量ともに不十分です。リクルートエージェント、doda、ビズリーチなど大手サービスをメインに据えて、Greenはサブ的な位置づけで活用することをお勧めします。特に年収交渉や条件面での調整は、エージェントサービスの方が圧倒的に有利です。
- スカウトメールは慎重に精査する大量に届くスカウトの9割以上は、あなたの経歴を真剣に検討していない「ばらまき型」です。本当に価値のあるスカウトかどうかは、メッセージの具体性で判断してください。定型文のようなスカウトは時間の無駄になる可能性が高いです。
- 給与条件は他サービスと必ず比較するGreenの求人は給与水準が低い傾向にあります。同じポジションでも、大手転職サービスでは20~30%高い給与提示がある場合があります。必ず複数のサービスで相場を確認してください。
- 他社サービスでの市場価値確認を先にまずは大手エージェントで自分の市場価値を確認してから、Greenの利用を検討することをお勧めします。リクルートエージェントやdodaで提示される年収レンジを基準に、Greenの求人を評価すべきです。
※本記事の内容は2025年9月時点の調査に基づくものです。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。また、本記事は個人の見解を含んでおり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。転職は個人の状況により結果が異なりますので、複数のサービスを比較検討の上、ご自身の判断で選択してください。