転職市場において、ハイクラス向けのサービスとして注目を集めているdodaX。「年収アップできた」「質の高い非公開求人が多い」という声がある一方で、「スカウトが来ない」「ハードルが高い」といった評判も聞かれます。本記事では、業界専門家としての視点から、dodaXの実態を口コミや評判をもとに徹底的に分析し、そのメリット・デメリットを明らかにしていきます。
dodaXの評判・口コミ分析
悪い評判・口コミ
「dodaXでは求人が届きましたが、どれもハイクラスで、自分がチャレンジできそうな求人があまりない印象でした。応募しようとしても経験年数の条件が合わず、自分のレベルに合ったものがなかったのが残念でした。」
出典:すべらない転職
「担当者の方は親切で対応も良かったのですが、今逃したら滅多に出会えない求人と言われたり転職の決定を急かしているようにも感じられました。」
出典:すべらない転職
「dodaXは良くも悪くも登録した職務経歴書の完成度や充実度でスカウトが来るかどうか決まってしまいます。レジュメが企業の採用担当者から見て魅力的でないと全くスカウトが来ません。」
出典:すべらない転職
「人によってはストレスかもです。スカウト型転職エージェント(dodaX)に登録して数日。相変わらず同じ会社の担当違いから定型文の嵐。その中にはちゃんとしたスカウトも来るので、スカウトメール欄から探し出すのが大変。」
出典:一般社団法人キャリア協会
「dodaXでは良い求人が多いですが、競争率も高いと感じました。ハイレベルという評判は本当で自分はまだ経歴がそれほど良いわけではないんだなと思い知らされました。」
出典:すべらない転職
良い評判・口コミ
「dodaXは求人数が他のサイトより圧倒的に多いです。自分の検索条件にもヒットする職業が多く、選択肢はたくさんあるんだとポジティブになれました。」
出典:すべらない転職
「スカウトもニックネームを宛先にして頂き、先方も自分を見てくれてのスカウトなんだと思い自信がつきました。」
出典:すべらない転職
「doda Xに登録しましたが、質の高い非公開求人が充実していて選択肢が広がりましたし、キャリアアップを目的としていた自分としては魅力的な求人が多くてとても利便性が高かったです。」
出典:OUTSIDEMAGAZINE
「離職後すぐにdoda Xを利用しましたが良い点はスピーディかつ600万以上の非公開の求人を紹介していただけた点個人ではたどりつけないような内容だったので活用して良かったなと感じました。」
出典:OUTSIDEMAGAZINE
「転職エージェントとは違って、転職を急かされることがなく、自分のペースで求人を検討できるのが良かったです。急いで決める必要がなく、自分に合ったタイミングで転職活動を進められるのが魅力的でした。」
出典:talentsquare.co.jp
dodaXの基本情報
設立年 | 2019年(当時はiX転職という名称) |
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運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
登録料・利用料 | 完全無料 |
対象年収帯 | 主に600万円〜2,000万円 |
公開求人数 | 約60,000件以上(2025年時点) |
登録ヘッドハンター数 | 約8,400人(2024年12月時点) |
特徴 | ハイクラス向けの求人紹介とスカウトサービスの両方が利用可能 |
dodaXは2022年10月に「iX転職」からリブランディングして誕生したハイクラス転職サービスです。親会社のdodaが提供する一般的な転職サービスと異なり、年収600万円以上・管理職などの上位ポジションを中心とした求人に特化しています。スカウト機能と求人検索の両方を使って転職活動ができる点が特徴です。
dodaXの実績と強み
dodaXは一般的な転職サービスとは一線を画した、以下のような強みを持っています。
1. ハイクラス求人に特化した豊富な案件数
dodaXの最大の強みは、年収600万円〜2,000万円のハイクラス求人を多数保有している点です。特に企業の経営戦略や事業戦略に関わる重要なポジションの求人が多く、通常の転職サイトでは見つけにくい非公開求人にアクセスできる可能性があります。私の経験では、役員や部長クラスなど、企業の中核を担うポジションはほとんど非公開求人として扱われることが多いので、この点はdodaXの大きなアドバンテージと言えます。
2. ヘッドハンターからのスカウト機能
約8,400人のヘッドハンターが登録しており、それらのプロフェッショナルから直接スカウトを受けることができます。特に「ダイヤモンドスカウト」と呼ばれる、ヘッドハンターが限られた人数にのみ送れる特別なスカウトは、高い精度で自分のスキルや経験にマッチした求人を紹介してもらえる可能性が高いでしょう。業界経験から言うと、ハイクラス人材の転職はこうしたピンポイントマッチングが成功の鍵を握ることが多いです。
3. 自分のペースで転職活動が可能
通常の転職エージェントでは、担当者からの連絡が頻繁にあり、時に転職を急かされると感じることもあります。しかしdodaXでは、スカウトを待つ受動的なスタイルと、自ら求人を探す能動的なスタイルの両方が選べるため、自分のペースで転職活動を進められます。在職中で時間に制約がある方にとって、この点は大きなメリットでしょう。
ハイクラス転職に特化したサービスの利用だけで転職成功を保証するものではありません。重要なのは、自分の市場価値を正確に把握し、それを職務経歴書に的確に表現することです。特にdodaXでは、職務経歴書の完成度がスカウト獲得の鍵になります。実績を数値で表現したり、自分のキャリアの「ストーリー」を構築したりする工夫をしましょう。
業界専門家としてのインサイダー分析
私の長年のキャリアコンサルティング経験と業界分析から、dodaXについて以下のような独自の見解を持っています。
1. dodaXとビズリーチの比較
ハイクラス転職市場において、dodaXとビズリーチはしばしば比較されます。両者の大きな違いは、ビズリーチが審査制であるのに対し、dodaXは誰でも登録できる点です。これは一見、dodaXの方が使いやすく見えますが、裏を返せばハイクラス人材の「密度」はビズリーチの方が高い可能性があります。そのため、本当のハイクラス案件はビズリーチの方が多いと感じることもあります。ただし、dodaXは親会社のdodaの強みを活かした独自の非公開求人を持っているケースもあるため、両方を併用するのが理想的です。
2. 地域格差の実態
dodaXの求人は首都圏に集中しており、地方ではかなり数が限られます。2023年のデータでは、全求人の7割以上が関東圏に集中しています。これは地方でハイクラス転職を考えている方にとっては大きなデメリットになりえます。地方転職を考えている場合は、一般的なdodaやリクルートエージェントなども併用した方が良いでしょう。
3. スカウトの質にばらつきがある
口コミにもあるように、「定型文のスカウト」と「質の高いスカウト」が混在しています。これはヘッドハンターの質にばらつきがあることを示唆しています。私の経験では、特にダイヤモンドスカウトは質が高い傾向にありますが、一般的なスカウトは大量送信されているケースも少なくありません。スカウトの選別に一定の時間を割く必要があることを覚悟しておきましょう。
dodaXが向いている人・向いていない人
- 年収600万円以上、特に800万円以上を目指している方
- 管理職やマネジメント経験がある方
- 特定の専門分野で5年以上の経験を持つ方
- 前職での明確な実績やスキルをアピールできる方
- 自分のペースで転職活動を進めたい方
- 非公開求人や大手企業の隠れた求人にアクセスしたい方
- キャリアの浅い若手(20代前半など)
- 専門的なスキルや経験が限られている方
- 年収400〜500万円程度の求人を探している方
- 地方での転職を希望している方
- 転職エージェントのようなきめ細かいサポートを求める方
- 未経験職種へのキャリアチェンジを希望する方
dodaXを最大限活用するための実践的アドバイス
1. 職務経歴書の質を高める
dodaXではスカウトの獲得において職務経歴書の質が非常に重要です。単なる業務内容の羅列ではなく、具体的な成果や数値、自分が果たした役割を明確に記載しましょう。また、経歴書の更新頻度も重要で、定期的に新しい実績を追加することでスカウトの確率が上がります。
2. 複数の転職サービスを併用する
dodaXだけでなく、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウト、JACリクルートメントなど複数のハイクラス向け転職サービスを併用することで、より多くの求人に出会える可能性が高まります。各サービスの特性を理解し、自分に合った求人を見逃さないようにしましょう。
3. ダイヤモンドスカウトを優先チェック
スカウトが多く届くようになると、すべてに目を通すのは時間がかかります。まずはdodaX独自の「ダイヤモンドスカウト」から確認するのがおすすめです。これは送信できる人数が限られた特別なスカウトであり、あなたのスキルと求人のマッチ度が高い可能性があります。
4. スキルや実績の見せ方を工夫する
ハイクラス求人では、単に経験年数だけでなく、どのような成果を上げてきたかが重視されます。「〇〇の施策により売上を前年比120%に向上させた」「10人のチームをマネジメントし、プロジェクトを予定より3ヶ月早く完了させた」といった具体的な実績をアピールしましょう。
業界トレンドから見るdodaXの今後の展望
ハイクラス転職市場は今後も成長が見込まれ、特に以下のようなトレンドがdodaXの価値をさらに高める可能性があります。
1. 専門人材の需要拡大
デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速により、IT・デジタルマーケティング・データ分析などの専門人材の需要が高まっています。特に、これらの分野でマネジメント経験を持つ人材は希少で、dodaXを通じた転職で高い年収を実現できる可能性があります。
2. 副業・兼業人材の台頭
働き方改革の進展により、ハイスキル人材が副業・兼業で複数の企業と関わるケースが増えています。dodaXにおいても、フルタイムだけでなく、顧問やアドバイザーなど多様な働き方の求人が増加傾向にあります。複数のキャリアを並行して築きたい方にも活用の余地があるでしょう。
3. グローバル人材の需要
日本企業のグローバル展開が続く中、海外事業の責任者や多言語対応可能な人材へのニーズは高まる一方です。語学力とビジネス経験を兼ね備えた人材は、dodaXを通じてさらに市場価値を高められる可能性があります。
まとめ:dodaXは本当に使うべきか?
dodaXは確かにハイクラス求人を多数揃え、年収アップやキャリアアップの可能性を秘めたサービスです。しかし、経験やスキルが不足している場合や地方での転職を希望する場合は、思うような結果が得られない可能性もあります。
実際のところ、転職成功の鍵は一つのサービスに頼ることではなく、複数のサービスを賢く併用し、それぞれの特性を活かすことにあります。dodaXに加えて、ビズリーチ、JACリクルートメント、リクルートダイレクトスカウトなど、他のハイクラス向けサービスも試してみることをお勧めします。
最終的には、自分のキャリア目標や現在のスキルレベルを冷静に分析し、それに合ったサービスを選ぶことが重要です。dodaXは確かに魅力的なサービスですが、あくまでも転職活動の一つのツールとして捉え、最適な活用方法を見つけることが成功への近道となるでしょう。
※本記事は、筆者の経験と各種情報源からの情報に基づいて作成しておりますが、サービスの内容や評価は変更される可能性があります。また、転職の成否は個人の状況や市場環境によって大きく異なりますので、最終的な判断は読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。記載されている会社名、サービス名は各社の商標または登録商標です。