戦略コンサルとITコンサルの違いとは?転職エージェントが教える選び方

転職エージェント情報

コンサルタントへの転職を考えている方にとって、「戦略コンサル」と「ITコンサル」の違いは重要な選択ポイントとなります。この2つの違いを理解せずに転職活動を始める方が非常に多いと感じています。

この記事では、業界の第一線で活躍するコンサルタントたちの声も交えながら、戦略コンサルとITコンサルの決定的な違いや向いている人物像、そして自分に合ったコンサル職の選び方をお伝えします。

1. 戦略コンサルとITコンサルの基本的な違い

まずは、戦略コンサルとITコンサルの基本的な違いを整理しましょう。私がこれまでサポートしてきた数百名のコンサルタント転職者の経験から、以下の表にまとめました。

比較項目 戦略コンサル ITコンサル
主な支援領域 経営戦略、事業戦略、M&A、新規事業開発など IT戦略、システム導入、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援など
クライアントの窓口 経営層、事業責任者が中心 IT部門、事業部門の管理職が中心
プロジェクト期間 比較的短期(2〜6ヶ月程度) 中長期(半年〜数年)
年収相場
(経験3-5年)
900万円〜1,500万円程度 650万円〜1,200万円程度
必要なスキル ロジカルシンキング、分析力、プレゼン力、英語力 IT知識、プロジェクトマネジメント力、業務知識

上記の表を見ると大まかな違いはわかりますが、実務では両者の境界線が曖昧になっているケースも少なくありません。特に昨今のDX推進の流れを受けて、戦略コンサルファームがITの知見を強化したり、ITコンサルファームが上流コンサルティングを強化したりする動きが顕著です。

2. それぞれの業務内容と特徴

戦略コンサルの業務内容と特徴

戦略コンサルの最大の特徴は、クライアント企業の経営課題の本質に迫り、「何をすべきか」を提案することにあります。具体的な業務内容としては:

  • 市場・競合分析によるビジネス機会の特定
  • 中長期経営戦略の策定支援
  • 新規事業立案・市場参入戦略の策定
  • M&A戦略立案とPMI(買収後統合)支援
  • 組織・人事制度改革の支援

実際の現場では、クライアント企業のデータ分析やインタビュー調査、ワークショップの実施などを通じて課題を特定し、解決策を提案していきます。また、経営層向けの資料作成やプレゼンテーションも重要な業務の一つです。

私が支援した外資系コンサルからの転職者は「戦略コンサルの魅力は、クライアントの意思決定に大きな影響を与えられることと、多様な業界の経営課題に触れられる点」と語っていました。一方で「提案が実行されるところまで見届けられないもどかしさ」も感じると述べていました。

ITコンサルの業務内容と特徴

ITコンサルの特徴は、テクノロジーを活用した「どのように実現するか」に重点を置いていることです。具体的な業務内容としては:

  • IT戦略の立案・システム化計画の策定
  • 業務プロセス改革(BPR)の実施
  • ERPなどの基幹システム導入支援
  • デジタルトランスフォーメーション推進支援
  • ITガバナンス構築・情報セキュリティ対策

ITコンサルの現場では、業務プロセスの可視化やシステム要件定義、ベンダー選定などを経て、実際のシステム導入・運用までサポートすることが多いです。そのため、プロジェクトの期間は戦略コンサルに比べて長期化する傾向があります。

あるITコンサルティングファームのマネージャーは「ITコンサルの醍醐味は、戦略立案から実装、そして成果創出までの一連のプロセスに関われること」だと言います。「クライアントと共に変革を実現し、目に見える形で業務改善ができる達成感は何物にも代えがたい」とのことでした。

3. 向いている人物像・求められる適性

私が多くのコンサルタント転職者と接してきた経験から、それぞれの職種に向いている人の特徴をまとめました。

戦略コンサルに向いている人 ITコンサルに向いている人
  • 抽象度の高い思考を好む
  • 多様な業界・テーマに関心がある
  • 短期集中型の業務スタイルを好む
  • ビジネスインパクトの大きさを重視する
  • 高度な分析力とコミュニケーション能力がある
  • 具体的な実装・実現を好む
  • テクノロジーへの関心が高い
  • 中長期的な関係構築を好む
  • 実務レベルでの変革を重視する
  • 技術理解と業務知識のバランス感覚がある
戦略コンサルに向いているのはこんな人

特にビジネススクール(MBA)出身者や、投資銀行・総合商社などでの経験を持つ方は、論理的思考力や分析スキルを活かしやすいでしょう。また、複数の業界を経験したい方や、将来的に事業会社の経営層を目指す方には戦略コンサルでの経験が有利に働くことが多いです。

ITコンサルに向いているのはこんな人

SIer、IT部門、エンジニアなどの経験がある方は、その技術的バックグラウンドを活かしてITコンサルに転身するケースが多いです。また、特定業界(金融、製造、流通など)での業務知識がある方も、その知見を活かして業界特化型のITコンサルとして活躍できるでしょう。

4. 転職市場での需要と将来性

コンサルティング業界の転職市場における最新動向について、私が日々感じているトレンドをお伝えします。

戦略コンサルの市場動向

戦略コンサルの需要は依然として高く、特にデジタル戦略サステナビリティグローバル戦略などの専門性を持ったコンサルタントへのニーズが急増しています。一方で、外資系戦略ファームへの転職難易度は非常に高く、未経験からの参入はハードルが高いのが現実です。

将来的には、AIやデータ分析の知見を併せ持つハイブリッド型の戦略コンサルタントの価値がさらに高まると予測しています。実際、私がサポートした転職者の中にも、データサイエンスのスキルを持つ戦略コンサルタントは、年収交渉で有利に進むケースが増えています。

ITコンサルの市場動向

ITコンサルの需要は、DX推進の波に乗って急拡大しています。特にクラウドAIデータアナリティクスなどの先端技術領域に詳しいコンサルタントは引く手あまたの状況です。業界未経験者でも、IT知識やプロジェクトマネジメント経験があれば参入のチャンスは広がっています。

今後は、技術と業務の両方を理解し、クライアントのビジネス課題をテクノロジーで解決できる「ビジネス×IT」の複合型人材の重要性がさらに高まるでしょう。特定業界の知見とテクノロジーを掛け合わせた専門性を持つことが、キャリアの差別化につながります。

5. 実務経験者が語る!転職での選び方と成功のポイント

最後に、私がサポートしてきた転職成功者たちの経験から、コンサル職を選ぶ際のポイントをまとめました。

自分に合ったコンサル職を選ぶ3つのポイント

  1. 自分の強みと適性を正しく評価する:抽象的な思考が得意か、具体的な実装が得意かなど、自己分析を徹底しましょう。
  2. キャリアビジョンを明確にする:将来的にどんなキャリアを目指すのか(専門家として極めるか、経営層を目指すかなど)によって選択が変わります。
  3. 企業文化とのマッチ度を重視する:ファームごとに働き方や評価制度は大きく異なるため、OB/OG訪問などで内部情報を収集することが重要です。

ある外資系戦略ファームからIT系コンサルへと転職した方は「プロジェクトの実行フェーズまで関われること、そして成果が形になって見えることに魅力を感じて転職を決意した」と語っていました。また、「思ったよりもビジネス視点が求められることに驚いた」とも。

逆に、SIerからの転職者は「ITコンサルは技術だけでなく、上流のビジネス課題の理解が重要。この点を甘く見ると挫折する」というアドバイスをくれました。

まとめ:あなたに合ったコンサル職はどちらか

戦略コンサルとITコンサルは、それぞれに異なる魅力と特徴があります。どちらが優れているということではなく、自分のスキル・経験・志向性に合った選択をすることが成功への近道です。

戦略的思考と分析力を活かして多様な業界の課題解決に取り組みたい方は戦略コンサルを、テクノロジーの知見を活かして実務レベルの変革を実現したい方はITコンサルを選ぶとよいでしょう。

また、転職活動においては、自分の市場価値を正しく理解し、適切なポジションにアプローチすることが重要です。専門のエージェントを活用して、業界の最新動向や自分の強みを活かせる企業を見極めましょう。

 

最後に。コンサル転職時の年収相場(キャリア別)

キャリア層 MBA・名門大出身 大手企業経験者 その他バックグラウンド
20代 600〜1,000万円 600〜900万円 550〜800万円
30代 1,000〜1,800万円 900〜1,600万円 800〜1,400万円
40代以上 1,800万円〜 1,400〜2,000万円 1,200〜1,800万円

※大手コンサルファームの相場です。スキルや実績により上記以上になることも珍しくありません

どんなバックグラウンドからでもコンサル転職は可能

驚くべきことに、コンサルティング業界には多様なバックグラウンドの人材が活躍しています。「一般的な大学出身」「異業種からの転職」「未経験」からでも、コンサルタントになれるチャンスがあります。

下記のコンサル特化型エージェントは、ポテンシャルのある人材を常に求めています。まずは市場価値の確認から始めてみましょう

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