戦略・IT・財務:3分野のコンサルティングスキルとキャリアパスの分岐点

企業情報

「どのタイプのコンサルティングが自分に合っているのか?」「将来のキャリアでどんなスキルが最も価値を持つのか?」「各分野のコンサルティングは何が違うのか?」

私が10年以上かけて3つの異なるコンサルティング分野(戦略、IT、財務)を経験した実感と、90名を超える元同僚のキャリアパスを追跡調査した結果をもとに、あなたの意思決定に役立つ情報をお伝えします。

3つのコンサルティング分野:それぞれの本質と違い

「コンサルティング」という仕事は一見同じように見えますが、実は分野によって仕事の本質、必要なスキル、そして将来のキャリアパスが大きく異なります。私は戦略系ファームで5年、IT系で3年、そして財務系で2年の経験を持ちますが、それぞれの現場で目の当たりにした「実態の違い」についてまずお伝えしたいと思います。

戦略コンサルティング

本質:「企業の方向性・選択肢」を示すこと

中心課題:「会社は何をすべきか、何をすべきでないか」の判断

時間軸:中長期(1-5年)

主なクライアント:CEO、役員クラス

ITコンサルティング

本質:「業務とシステムの最適化」を実現すること

中心課題:「いかに効率的に業務を遂行するか」の設計

時間軸:中期(1-3年)

主なクライアント:CIO、IT部門長、事業部長

財務コンサルティング

本質:「数字で経営を可視化・最適化」すること

中心課題:「いかに財務パフォーマンスを向上させるか」の追求

時間軸:短中期(四半期~1年)

主なクライアント:CFO、財務部門長、経営企画部門

私が最初に戦略コンサルティングから転職してITコンサルティングに入った時、最も驚いたのは「意思決定の速度と確実性」の違いでした。戦略コンサルでは「可能性の探索」が中心で不確実性を前提としていましたが、ITコンサルでは「確実な実行」が求められ、曖昧さが許されない文化に苦労した記憶があります。

同様に、財務コンサルティングに移った際は、「数字の正確性とスピード」への要求の高さに圧倒されました。戦略やITの世界では「概ね合っている」レベルでも通用することがありましたが、財務の世界では「1円単位の正確さ」が当たり前だったのです。

各分野で求められるスキルセットの違い

それでは、各分野で本当に求められるスキルセットの違いを見ていきましょう。私が実務で痛感した「現場で評価される能力」をランキング形式で示します。

ランク 戦略コンサルティング ITコンサルティング 財務コンサルティング
1位 論理的思考力・問題解決能力 実装を見据えた設計能力 財務分析・モデリング能力
2位 仮説構築・検証能力 業務プロセス設計能力 会計・税務の専門知識
3位 経営視点でのストーリー構築力 プロジェクトマネジメント力 数値からの洞察力
4位 統計・データ分析能力 システム知識・テクノロジー理解 コスト構造理解・最適化能力
5位 経営層とのコミュニケーション力 ステークホルダー調整能力 リスク分析・管理能力

この表を見ると、各分野で求められる能力の違いが明確になりますね。私が戦略コンサルから他分野に移った際、最も苦労したのは「曖昧さへの対応」の違いでした。戦略コンサルティングでは「正解のない問い」に対して最適解を探る能力が求められますが、ITコンサルティングでは「実装可能な具体策」が、財務コンサルティングでは「数字で検証可能な解」が求められます。

私の失敗体験:領域の違いによる評価基準の差

戦略コンサルティング時代、私は「大胆な事業構想」と「トップへの直接提言」で高い評価を得ていました。しかし、ITコンサルティングに転職した初年度、クライアントから「具体性がない」と厳しい評価を受けました。原因を分析すると、私は「方向性を示す」ことで満足していましたが、ITコンサルでは「詳細な実装手順まで示す」ことが期待されていたのです。この経験から、分野によって「価値を生む方法」が大きく異なることを学びました。

3分野のキャリアパス:5年後・10年後のキャリア展望

各コンサルティング分野での経験は、その後のキャリアパスにも大きな影響を与えます。私が追跡調査した90名以上の元コンサルタントのキャリア展開を分析すると、以下のようなパターンが見えてきました。

転職先タイプ 戦略コンサル経験者 ITコンサル経験者 財務コンサル経験者
大企業 経営企画部門
事業開発責任者
新規事業部長
IT戦略部門
デジタル変革責任者
CIO/CTO候補
財務部門
経理部長
CFO候補
スタートアップ・
ベンチャー
事業責任者
COO
CEO
CTO
プロダクト責任者
テクノロジー統括
CFO
財務責任者
経営管理責任者
投資関連 PE/VCアソシエイト
M&Aアドバイザリー
事業会社の投資責任者
テクノロジー特化型VC
ITデューデリジェンス
デジタル投資責任者
投資銀行
会計・財務デューデリ
企業価値評価専門家
独立・
フリーランス
戦略アドバイザー
インディペンデントコンサル
社外取締役

最後に。コンサル転職時の年収相場(キャリア別)

キャリア層 MBA・名門大出身 大手企業経験者 その他バックグラウンド
20代 600〜1,000万円 600〜900万円 550〜800万円
30代 1,000〜1,800万円 900〜1,600万円 800〜1,400万円
40代以上 1,800万円〜 1,400〜2,000万円 1,200〜1,800万円

※大手コンサルファームの相場です。スキルや実績により上記以上になることも珍しくありません

どんなバックグラウンドからでもコンサル転職は可能

驚くべきことに、コンサルティング業界には多様なバックグラウンドの人材が活躍しています。「一般的な大学出身」「異業種からの転職」「未経験」からでも、コンサルタントになれるチャンスがあります。

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